絵を読もう

自称絵描きマンが絵について考えるブログ

カジノを描きたい

読んだ。日本のカジノの入場料が決定した話だ。

www.nikkei.com

記事には、観光振興に活かしたいなどといったコメントがあったりするが、筆者個人としては、日本のカジノの雰囲気がどのようなものになるのかというのが一番気になるところである。

なぜなら、筆者はモーレツにカジノのイラストを描きたいからだ。将来的に。

 

www.pixiv.net

そこに広がる煌びやかさと妖しさ。などといった要素てんこ盛りの非日常な空間にあこがれを抱いているわけなのだが、描くにあたって圧倒的に知識が足りないのが悔やまれる。

そこでこの記事では、こんな悩める自分自身のために、カジノという空間を表現するために押さえておきたい知識を何度か分けてまとめることにする。

とりあえず、今回はカジノの起源から軽~~くいっとこう。

カジノにはヨーロッパ型とアメリカ型の2種類の違いがある

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では、まずは起源は何なのかを見てみよう。

松井政就『本物のカジノへ行こう!』(文春新書)によると、

カジノはヨーロッパの貴族が別荘で行った賭け事が起源と言われている。ヨーロッパのカジノではドレスコード*1があるのも、社交場としての名残りであるということが書かれている。

対して、アメリカ型のカジノは遊びの場所だと言うことだ。こちらはドレスコードはないので服装は自由だ。ギャンブルあり、ショーあり、アトラクションあり、買い物ありと、何でもありの世界だ。

日本でのカジノも、まあ間違いなくアメリカ型のものになるだろう。

絵を描くにあたっては

そこを踏まえた上で、先程のpixiv特集を見てみると、絵の中の登場人物はほぼ全て礼服もしくはバニースーツで統一されている。私服姿で描かれているものは見られないことに気付く。

やはり、カジノのイラストに求められるのは非日常感であるので、私服姿だとせっかくの雰囲気をぶち壊してしまいかねないということなのだろう。

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北条司シティーハンター』3巻(集英社文庫)より

筆者の手持ちのマンガでカジノを題材にした話があった。

背景のすべての人物が礼服となっている。*2のこうして考えると、なにげない所でもカジノの雰囲気づくりのために工夫してあることが伺える。

シティーハンター (3) (集英社文庫―コミック版)

シティーハンター (3) (集英社文庫―コミック版)

 

 

カジノにギャンブルに関心のない人を呼び込むには

先ほど少し言及したが、カジノはギャンブルだけがウリではない。ショーやアトラクションといった余興も取り入れることで客寄せに貢献している。

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テレーズ (SSR) - グランブルーファンタジー(グラブル)攻略wikiより

ゲームで例えるなら、「グランブルーファンタジー」の世界観では、カジノの余興として「デュエル」が実施されている。

ショーが生まれた背景には、ラスベガスなんかは特にだが、競争相手が多かった点があげられる。お互いが競い合うようにショーを披露して、差別化を図ろうという思いがあったからだ。実際、世界レベルと言われるほど洗練されたものだという。

加えて、ギャンブルに興味のない人、できない人をカジノに連れ出す口実としての役割があった。

子供たちでも楽しめるようなエンターテインメントの要素を導入することで、ギャンブルに関心のない家族がいる層にも関係なくお金を使わせるという構図だ。

ただし、欠点としてはギャンブルをする層にもショーに夢中にさせてしまうことだ。

ショーよりもギャンブルの利益のほうが圧倒的に上回っているのだから、ギャンブラーをショーに釘付けにした分、カジノの収益は落ちるのである。*3

客寄せのために世界レベルのショーを実施したのだから、これは皮肉な話だ。

またまた絵を描くにあたっては

 カジノというのは、ギャンブルだけが全てではないことを知っていただけただろうか?

少なくとも、筆者はカジノ内にショーがあったなんて知らなかった。他にもミュージシャンの演奏のためのステージがあったり、ストリップのステージがあったりと、ギャンブル以外にも楽しめる要素は山盛りだったというわけだ。

また、これらの知識はカジノを描くための「絵画技法」ではなく、あくまでも雑学だ。しかし、果たして「絵画技法」だけを学んだところで、その世界観・雰囲気を表現しきることは難しいのではないかと思っている。自分の知っている事しか描けないのだから。

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描きたい対象の知識は多いに越したことはない。絵を見る側、あるいはマンガを読む側はイマジネーションを必要としないが、描く側はイマジネーションを必要とする。現に手塚治虫などは、相当博識だと聞く。

筆者としては、趣味の絵描きを今後も継続していけるように、こうしてイマジネーションを膨らませることに力を注いでいきたいところだ。いつの間にかそっちが絵を描く事よりも優先することになってしまいそうで怖いが。

まとめ

・カジノはヨーロッパの貴族が別荘で賭博を始めたのが起源。

・フォーマルなヨーロッパ型、カジュアルなアメリカ型の2種類のカジノがある。

・絵を描くにあたっては、フォーマルなヨーロッパ型で描かれる傾向がある。

・カジノは客寄せのために、ショーやアトラクションなどといったエンターテインメントにも力を注いでいる。

・絵を描くにあたってはそれに関する知識はある程度は持っておこう。

参考文献

本物のカジノへ行こう! (文春新書)

本物のカジノへ行こう! (文春新書)

 

 この本は著者による世界中のカジノのレポがあるわ、カジノの仕組みはあるわ、ギャンブルの法則はあるわ、カジノ法案の話題もあるわで至れり尽くせりだ。カジノのことに興味があったら最初に読んでいただきたい1冊だ。

次回は

次、カジノを題材をした記事を書くときは、カジノにあるゲームについて考えていきたい。

*1:服装の規定のこと

*2:一番手前にでっかく描かれている男はシティーハンターの主人公・冴羽獠だ。彼はフォーマルな服装を嫌う傾向があるので彼だけ普段着(というか、一張羅)のジャケットを羽織っているというわけだ

*3:ショーのチケット料は、座席の場所で決まる。例えギャンブルで高額な金を賭ける人であっても、それだけの理由で高いお金をとる訳にはいかないのだ。